横浜地方裁判所 昭和63年(わ)107号 判決 1988年3月18日
(被告人)
本店所在地
川崎市中原区木月七〇七番地
商号
有限会社 鳳栄
代表者住居
横浜市港北区日吉本町一八五四番地
代表者
全連珠
国籍
韓国
住居
横浜市港北区日吉本町一八五四番地
職業
会社役員
金山こと金性徳
一九一七年四月一〇日生
主文
被告有限会社鳳栄を罰金五〇〇〇万円に、被告人金性徳を懲役一年四月に処する。
被告人金性徳に対し、この裁判確定の日から三年間その刑の執行を猶予する。
理由
(犯罪事実)
被告会社有限会社鳳栄は、川崎市中原区木月七〇七番地に本店を置き、遊技場の経営等を営んでいるもの、被告人金性徳は、同会社の取締役として同会社の業務全般を統括するものであるが、被告人金は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、売上の一部を除外して簿外預金を蓄積するなどの方法により所得を秘匿した上
第一 昭和五九年一月一二日から同年九月三〇日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が七、七六八万一、七五八円であったにもかかわらず、同五九年一一月三〇日、川崎市高津区溝ノロ四〇六番地所在の川崎北税務署において、同税務署長に対し、所得金額が九六五万一、一三三円でこれに対する法人税額が三四四万八〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により同会社の右事業年度における正規の法人税額三、二八九万七、八〇〇円と右申告税額との差額二、九四五万七、〇〇〇円を免れ
第二 昭和五九年一〇月一日から同六〇年九月三〇日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が一億二、六二七万二、四五四円であったにもかかわらず、同六〇年一一月二九日、前記川崎北税務署において、同税務署長に対し、所得金額が一、五五一万四、一四〇円でこれに対する法人税額が五七三万三、五〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により同会社の右事業年度における正規の法人税額五、三六九万一、七〇〇円と右申告税額との差額四、七九五万八、二〇〇円を免れ
第三 昭和六〇年一〇月一日から同六一年九月一〇日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が二億二、一五九万八一円であったにもかかわらず、同六一年一二月一日、川崎市高津区久本二六九番地川崎北税務署において、同税務署長に対し、所得金額が一、〇七四万三、八八一円でこれに対する法人税額が三六六万七、七〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により同会社の右事業年度における正規の法人税額九、四九六万四、四〇〇円と右申告税額との差額九、一二九万六、七〇〇円を免れ
たものである。
(証拠の標目)
判示事実全部について被告人金性徳及び被告会社代表者金連珠の当公判廷における各供述のほか本件記録中の証拠等関係カード(検察官請求分)の以下の番号の各証拠
判示事実全部について
甲2、9から15、17、22から24、27、28、32から43、46から50、54、58から72、乙1から25
第一事実について
甲3、6、20、44、53、55
第二事実について
甲4、7、16、18から21、25、29から31、44、52、56
第三事実について
甲5、8、16、19、21、25、26、29、30、45、51、57
(法令の適用)
一 被告会社について
判示所為の該当罰条 いずれも法人税法一六四条一項、一五九条
併合加重 刑法四八条二項
二 被告人金性徳について
判示所為の該当罰条 いずれも法人税法一五九条(いずれも懲役刑を選択)
併合加重 刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(犯情の最も重い第三の罪の刑に加重)
刑の執行猶予 刑法二五条一項
よって主文のとおり判決する。
(検察官冨田益行出席)
(裁判官 菊池光紘)